邂逅

私が未だに翻弄されているあの人に会った時の話。

今から10年ほど前の話であるが、僕はケータイを買ってもらった。特に何をするわけではないけど、なんだか周りの人たちが持っているからほしくなったのだ。


当時私は筋金入りのガリ勉で通っていたので、私がケータイを持ったという話はクラスに衝撃を与えた。みんな興味本位でアドレスを聞いていった。
そんな騒ぎが一通り過ぎた後、クラス替えで席が近くなったあの人と話すきっかけができた。
あの人と話す中でケータイの話題に。
「君、ケータイ持ってるの?」
という話になり、アドレスを教えることになる。10年前からあの人は周囲とずるずる付き合うことがなく、周りも手に負えず遠巻きに見てるような人間だった。


そして放課後自宅に帰るとメールが届いていた。
件名はなく、本文に一言「からメール」。


返事に、「からメールと打った時点でこのメールは空メールではない。」と返事をしたところ、どうやら気に入られたらしい。何を打たれてなんと返したか忘れてしまったが、この縁が未だに続いている。

10年でいろいろ変わってしまったが、今の部活にいる人の中で一人でも末永く付き合える人間ができればいいなと思う、今日この頃。