ある日、ヅラ子は寝覚めの悪い夢で目を覚ますと、自分がとんでもないヘタレであることに気が付いた。

みなさんは弓道をしていると、こんなことはないでしょうか?


いつも通り練習しているはずなのに、突如、弓道の神が降りてきて、会がとんでもないくらい良くなっているときということが。
縦横十文字が整い、詰合いでは徐々に矢束が伸びていき、心は充実していく。今までの引きにくさは何だったのだろうかと思うほど、スムーズに引く。そして余計なことをせずに離すと、本当に当たってしまうのである。


しかし練習を何年もやっていると、そういうことが何度かありました。するとなんとなく会でプレッシャーを感じてしまい、次第に戻りが生じて外すことがありました。


そう、ただのヘタレであったという、それだけの話です。


克己、克己!