もしもラピュタのシータが道場管理人だったら

―古代ラピタ人は、いつでも晴れた日に練習を行うため、飛行石を使って飛行道場「満(みちる)道場」を作りだした。
シータとパズーはタイガーモス号に乗って、満道場へ向かう。


シータ「私、パズーにまだ話してないことがあるの」
パズー「何?」
「私の本当の名前は、ヅ・ラーギ トゥエル ウル 道管」
「シータ、それって」
「私たちの一族は、代々道場管理係として、ラピタ王家に仕えてきたの」
「・・・」
「あの鍵だって、いつもの竈の中に隠してあって、部員が鍵を道場の中に閉じ込めたときだけ使うことになっていたの。」
「・・・」
「私のおじいさんは、いろんなことを教えてくれたわ。的貼りの回し方とか、巻藁の安全な使い方とか、主管の回し方とか。」
「そうなんだ。」
「でも、おじいさんも教えてくれなかったことがあるの。」
「なに?」
「滅びの言葉。・・・私、この言葉を知った時、夜も眠れなかったわ。・・・こんな言葉を知るために、私、道場管理係になったわけじゃないわ。・・・私、道場管理係になんて、ならなければよかった。」
「そんなことないって、ほら、シータが道場管理係になったおかげで、僕ら、出会えたじゃないか。ドーラだって、きっといい人だよ。弓や矢にだって、詳しくなれたし。」
「そうね。」
「ねえシータ。今度のことが終わったら、他大学の道場を巡る旅をしよう。離島にだって、そのうち。」
「パズー。」


「なんだ、あれ?」
「どうしたの?」
「ほら、あそこ。」


「ハマ○ラだー。真下にいるぞー。」
タイガーモスの真下の雲から、両手を広げたハマ○ラが浮上してくる。
原付のおかげで、機動力が増している。
ドーラ「面舵逃げろ―。」


雲にまぎれ難を逃れるタイガーモス。
はたして、パズーとシータは満道場に着くことはできるのか?
彼らの冒険はこれからも続く。