管理人を巡る女の物語2(上)

管理人が以前ハマった本「東京奇譚集」の中に収録されている「日々移動する腎臓のかたちをした石」という話がありました。
主人公は売れっ子小説家を目指すものの、なかなか受賞できない若き男性小説家(だった気がします)です。彼は父から、男にとって本当に意味のある女性は3人しかいないと幼い日の主人公(多分)に話します。それ以来、女性との付き合いを積極的に行わなくなっていった主人公なのですが…


ここからお話が流れていくのですが、今回は管理人の身の回りにかつていた、もしくは今まで関わっている女性のことについて振り返るという企画です。
自分のための文章なので、これきりにするつもりです。


という訳で、不思議な中学生の同級生の話を書いてみたいと思います。


私の通う中学校では、生徒会の下部組織に委員会というものがあり、全員何かしらの委員になるという決まりがありました。委員会なので委員長と副委員長がいるのですが、私は募金集めを主に行う委員会の委員長になりました。
今日話題にするのは一緒に副委員長になってくれた女の子の話です。


その女の子は帰国子女で、詳しいことは一切知りませんがイギリスにいたらしいという話は聞いています。
色白で美人と評判で、性格もいいし、当時変人と誉れの高かった管理人と二人っきりで放課後ずっとベルマーク数えたり募金の金額を何度も確認したりしても不平を漏らしたことは一度もありませんでした。
つまらない話でも笑ってくれたとても有難い存在。正直可愛いと思うこともあったけれど、恋に落ちるようなことは何故かありませんでした。


同じクラスのよくしゃべる女の子とは違って、常にこちらに合わせてくれる分、向こうの考えていることがよく分からないからだったかもしれません。
もしこちらを避けたいなら、もっと上手く避けられるはずなのに、話は真剣に聞いてくれる、でも感情はなかなか出さない。


結局お互いに任期が切れた途端に接点が無くなり、話もあまりしないまま卒業になりました。

続く